みなさん、こんにちは。三重県四日市市の「さかもと歯科医院」院長です。
毎日のお口のケアや治療、いつもお疲れ様です。「歯の治療をしっかり行いたいけれど、費用が気になる」と感じている方は多いのではないでしょうか。特に、インプラントや矯正治療などの自費診療は高額になりがちです。
結論から申し上げますと、歯科治療にかかった費用の多くは「医療費控除」の対象となり、確定申告を行うことで税金の一部が還付される(戻ってくる)可能性があります。
このコラムでは、どのような治療が対象になるのか、申請には何が必要なのかを、四日市市の皆様に分かりやすく解説します。制度を賢く利用して、健康な歯を守っていきましょう。
歯科治療における医療費控除の対象となるものとならないもの
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超過分を所得から差し引くことができる制度です。
歯科治療においては、「治療を目的とするもの」は対象になり、「美容や予防のみを目的とするもの」は対象外となるのが基本ルールです。
虫歯や歯周病治療・親知らずの抜歯などは対象になる
保険診療で行う一般的な治療は、ほぼすべて医療費控除の対象となります。
具体的には以下のものが挙げられます。
- 虫歯治療
- 詰め物や被せ物の費用
- 歯周病治療
- 歯茎の検査や治療にかかる費用
- 抜歯
- 親知らずの抜歯や、治療上必要な抜歯
- 入れ歯(義歯)
- 製作費や調整費
また、保険診療だけでなく、自由診療(自費診療)で使用したセラミックや金などの材料費も、一般的に使用されている歯科材料であれば対象となります。
「良い材料で治したいけれど自費だから対象外かな?」と心配される方もいらっしゃいますが、治療目的であれば対象ですのでご安心ください。
インプラントや機能回復のための矯正治療も対象範囲
高額になりがちな以下の治療も、条件を満たせば医療費控除の対象です。
- インプラント治療
- 失った歯を補うためのインプラント治療は、噛む機能を回復させるための治療行為であるため、対象となります。
- 矯正治療(子供)
- お子様の成長を阻害しないために行う矯正治療は、医学的に必要と認められるため対象です。
- 矯正治療(大人)
- 噛み合わせが悪く咀嚼(そしゃく)に問題があるなど、機能回復を目的とした矯正治療は対象となります。医師の診断書が必要になる場合があります。
美容目的のホワイトニングや予防のみのクリーニングは対象外
一方で、治療ではなく「容姿の美化」や「病気の予防」を目的とした出費は対象外となります。
| 区分 | 具体例(対象外となるもの) | 理由 |
|---|---|---|
| 審美目的 | ホワイトニング、美容目的のみの歯列矯正 | 病気の治療ではないため |
| 予防目的 | 治療を伴わない歯石除去(クリーニング)、フッ素塗布 | 健康増進・予防が目的のため |
| その他 | 歯科ローンの金利・手数料 | 医療費そのものではないため |
通院にかかった交通費や家族の分も合算できる仕組み
医療費控除の大きな特徴は、治療費そのものだけでなく、通院にかかった交通費や、家族全員分の医療費も合算できる点です。これを知っているかどうかで、控除額が大きく変わることがあります。
バスや電車などの公共交通機関の運賃は控除対象になる
通院のために使用した公共交通機関の運賃は、医療費控除の対象に含めることができます。
- 対象となる交通費
- 電車、バスなどの公共交通機関の運賃。お子様の通院に付き添う親御さんの交通費も含まれます。
- 対象とならない交通費
- 自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は対象外です。
タクシー代については、急病や足が不自由で公共交通機関の利用が困難な場合など、やむを得ない事情がある場合に限り認められます。
生計を一にする家族の医療費をまとめて申告することが可能
医療費控除は、申告する本人だけでなく、「生計を一にする配偶者やその他の親族」の医療費をまとめて申告することができます。
「生計を一にする」とは、必ずしも同居している必要はありません。例えば、四日市市の実家で暮らす両親に仕送りをしている場合や、大学進学で別居している子供の学費や生活費を送金している場合なども含まれます。
家族全員の医療費を合計することで、控除の対象となる基準額を超えやすくなります。
年間10万円(または所得の5%)を超えた分が対象となる計算方法
医療費控除の金額は、以下の計算式で算出します。
控除額 = ( 実際に支払った医療費の合計 - 保険金などで補填される金額 ) - 10万円
※その年の総所得金額等が200万円未満の方は、「10万円」ではなく「総所得金額等の5%」の金額を差し引きます。
【ポイント】
- 補填される金額
- 出産育児一時金や、生命保険の給付金などは差し引く必要があります。
- 上限
- 控除額の上限は200万円です。
「今年は家族で歯医者に通ったし、他の病気もしたな」という年は、領収書を一度集計してみることをお勧めします。
医療費控除を受けるために必要な手続きと書類の準備
医療費控除を受けるためには、会社員の方であってもご自身で「確定申告」を行う必要があります。年末調整では手続きができませんのでご注意ください。
確定申告書を作成し税務署へ提出またはe-Taxで申告
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。
申告方法は大きく分けて以下の方法があります。
- e-Tax(電子申告)
- スマートフォンやパソコンから、マイナンバーカードを使って自宅から申告できます。
- 税務署へ持参・郵送
- 四日市税務署などの窓口へ提出、または郵送します。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って金額を入力するだけで申告書が作成できるため便利です。
- 出典
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
- URL:https://www.keisan.nta.go.jp/
歯科医院の領収書や通院にかかった交通費のメモを保管する
申告の際、医療費の領収書の提出は不要になりました(※平成29年分以降)。その代わり、「医療費控除の明細書」を作成して添付する必要があります。
ただし、領収書を捨てて良いわけではありません。自宅で5年間保存する義務があり、税務署から求められたときは提示または提出しなければなりません。
歯科医院でもらった領収書は、紛失しないよう専用のファイルなどにまとめておきましょう。
また、交通費については領収書が出ないことが多いため、以下の内容を記録したメモを作成しておきます。
- 利用した日付
- 利用した交通機関(近鉄四日市駅〜○○駅など)
- 金額
過去5年分まで遡って申告することができる還付申告
「一昨年、インプラント治療をしたけれど申告を忘れていた」という方も、諦めないでください。
給与所得者などが医療費控除を受けて税金を戻してもらうための「還付申告」は、その翌年の1月1日から5年間行うことができます。
過去の領収書が見つかった場合は、遡って申告することで税金が戻ってくる可能性があります。
高額な治療をご検討の方は四日市のさかもと歯科医院へご相談ください
医療費控除は、患者様の経済的な負担を軽減するための国の大切な制度です。当院では、患者様が安心して治療に専念できるよう、制度の活用も含めたサポートを行っております。
トリートメントコーディネーターによる費用の概算と支払い方法の説明
さかもと歯科医院には、歯科医師と患者様の間に立って相談を承る「トリートメントコーディネーター(TC)」が在籍しています。
治療を始める前に、治療費の概算や、デンタルローン、クレジットカードなどの支払い方法について丁寧に説明いたします。「あとで高額な請求が来て驚いた」ということがないよう、透明性のある費用提示を心がけています。
医療費控除を見据えた治療計画や領収書発行の対応
高額な治療(インプラントや矯正など)を行う場合、治療費を支払うタイミングによって、控除を受けられる年が変わります。
例えば、年末に大きな治療を予定している場合、支払いを年内に済ませるか、翌年にするかで、その年の控除額に影響が出ることがあります。
当院では、医療費控除の申請を見据えたお支払い時期のご相談や、申請に必要な領収書の適切な発行など、事務的な面でもサポートさせていただきます。
インプラントや矯正治療などの自費診療も安心して受けられるサポート
「費用がかかるから」と、理想の治療を諦めてほしくありません。
医療費控除を活用すれば、実質的な負担額を抑えながら、機能性や審美性に優れた自費診療(インプラント、セラミック、矯正治療など)を受ける選択肢が広がります。
四日市市で、歯の健康と費用のこと、どちらも安心して相談できる歯科医院をお探しの方は、ぜひ「さかもと歯科医院」へお越しください。
皆様の健康な笑顔を守るために、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。

