さかもと歯科医院コラム記事

痛くないのに歯医者へ行くべき?四日市の歯医者が教える定期検診のメリットと適切な頻度

予防処置 定期検診

「歯が痛くないのに、わざわざ歯医者に行く必要はあるの?」「特に困っていないけれど、定期検診のハガキが届いたから迷っている」四日市市にお住まいの皆様の中にも、このようにお考えの方は多いのではないでしょうか。仕事や家事で忙しい毎日を送っていると、痛みのない歯科医院への通院は後回しになりがちです。

しかし、結論から申し上げますと、「痛くない時こそ、歯医者へ行くベストなタイミング」です。

痛みが出てからの通院は、すでに病状が進行していることが多く、治療期間も費用もかさんでしまいます。一方、痛みのない時期に通うことで、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、将来的にご自身の歯を多く残せる可能性が格段に高まります

この記事では、四日市市のさかもと歯科医院が、なぜ痛みのない時期の受診が重要なのか、定期検診では具体的に何をするのか、そして費用や頻度の目安について、公的な情報源に基づき分かりやすく解説します。

痛くない時こそ歯医者へ行くべき理由とは

多くの患者様が「歯医者は歯が痛くなってから行くところ」というイメージをお持ちです。しかし、近年の歯科医療の現場では「治療(Cure)」よりも「予防(Care)」こそが最も重要視されています。なぜなら、歯を失う二大原因である虫歯と歯周病には、初期段階で痛みを感じにくいという厄介な特徴があるからです。

虫歯や歯周病は自覚症状がないまま進行する

恐ろしいことに、虫歯も歯周病も、初期の段階ではほとんど「痛み」や「しみ」といった自覚症状がありません

虫歯の進行
歯の表面(エナメル質)が溶け始めた「CO」や「C1」と呼ばれる段階では痛みを感じません。冷たいものがしみる、穴が空いたと気づいた時には、すでに象牙質や神経近くまで進行していることが多いのです。
歯周病の進行
「沈黙の病気(サイレント・ディジーズ)」とも呼ばれ、本人が気づかないうちに歯を支える骨が溶かされていきます。歯磨きのときに出血する、歯がグラグラするといった症状が出た頃には、すでに重症化しているケースも少なくありません。

厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、歯周病は成人の多くが罹患しているにもかかわらず、痛みなどの自覚症状が少ないため放置されやすく、結果として歯を失う大きな原因となっていることが指摘されています。

【出典】厚生労働省 e-ヘルスネット:「歯・口腔の健康」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth)

予防歯科の考え方と生涯の健康を守る重要性

「予防歯科」とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、なる前の予防を大切にするという考え方です。

日本歯科医師会が推進する「8020運動」をご存知でしょうか。「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。自分の歯でしっかり噛めることは、食事を楽しむだけでなく、全身の健康や生きがいにも深く関わっています。

痛くなってから削って詰める治療を繰り返すと、どうしても歯の寿命は短くなります。生涯ご自身の歯で食事を楽しむためには、トラブルが起きる前のケアが不可欠です。実際に、定期的に歯科検診を受けている人とそうでない人とでは、残存歯数に大きな差が出ることが分かっています。

【出典】日本歯科医師会 テーマパーク8020:「8020運動とは」(https://www.jda.or.jp/park/)

「治療」ではなく「予防」で通うメリット

「治療」ではなく「予防(定期検診)」で歯科医院に通うことには、以下のような大きなメリットがあります。

メリット具体的な内容
痛みの回避麻酔や歯を大きく削るような、身体的負担の大きい処置を避けられます。初期段階であれば、削らずに経過観察や簡単な処置で済むこともあります。
費用の節約重症化してからの複雑な治療(根管治療や被せ物など)に比べ、予防ケアの方がトータルコストを抑えられます
時間の節約治療のために何度も通院する必要がなくなり、3ヶ月〜半年に1回程度の通院で済みます
全身の健康歯周病菌が糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎などに悪影響を及ぼすリスクを低減できます

日本歯周病学会でも、歯周病が全身疾患に及ぼす影響について警鐘を鳴らしており、定期的な管理の重要性を説いています。

【出典】日本歯周病学会:「歯周病Q&A」(https://www.perio.jp/qa/)

定期検診では何をするのか具体的な内容と流れ

「定期検診」といっても、具体的に何をされるのか不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。「痛いことをされるのではないか」と心配な方もご安心ください。基本的には、痛みを感じるような処置はほとんど行いません。ここでは一般的な検診の流れをご説明します。

お口全体のチェックと歯周ポケット検査

まず、歯科医師や歯科衛生士が、お口の中全体を目視と専用の器具で確認します。

虫歯のチェック
小さな初期虫歯がないか、過去に治療した詰め物や被せ物に隙間や破損がないかを確認します。
歯周ポケット検査
「プローブ」という目盛りのついた器具を使い、歯と歯茎の境目(ポケット)の深さを測ります。健康な歯茎であれば1~3mm程度ですが、歯周病が進行して炎症が起きると4mm以上と深くなります
粘膜のチェック
舌、頬、唇などの粘膜に、口内炎やできもの、異常な変色がないかを確認します。口腔がんの早期発見にもつながります。

日本歯周病学会などの専門機関でも、歯周病の進行度や活動性を知るために、ポケット検査は必須の検査とされています。

【出典】日本歯周病学会:「歯周病Q&A」(https://www.perio.jp/qa/)

専用器具を使ったクリーニングとスケーリング(歯石取り)

検査の後は、普段の歯磨きでは落としきれない汚れをプロの手で除去します。

スケーリング(歯石除去)
歯垢(プラーク)が唾液中の成分と結びついて石灰化した「歯石」を、超音波スケーラーなどの専用器具で取り除きます。歯石は歯ブラシでは取り除くことができません
PMTC(専門的クリーニング)
専用の機器とブラシ、研磨剤を使って、歯の表面のバイオフィルム(細菌の膜)や、お茶・コーヒー・タバコなどによる着色汚れ(ステイン)をきれいに除去します。

これらの処置を行うことで、お口の中がリフレッシュし、舌触りがツルツルの気持ち良い状態になります。日本歯科保存学会も、自分の歯を長く残すためには、このような定期的なプロフェッショナルケアが有効であるとしています。

【出典】日本歯科保存学会:「一般の皆様へ」(https://www.shikahozon.ac.jp/general/)

痛みを感じにくい処置とブラッシング指導

定期検診でのクリーニングは、基本的に麻酔を必要としません。歯石を取る際に、超音波の振動で少し響くような感じがすることはありますが、痛みを感じにくいようにパワーを調整したり、手用器具を使ったりして配慮して行います。

また、毎日のセルフケアも非常に重要です。「磨いているつもり」でも「磨けていない」部分は意外と多いものです。患者様のお口の状態(歯並びや歯肉の状態)に合った歯ブラシの選び方や、デンタルフロス・歯間ブラシの正しい使い方の指導(TBI)を行います。

お子様の場合は、フッ素塗布を行うことで歯質を強化し、酸に溶けにくい強い歯を作ります。日本小児歯科学会でも、定期的なフッ素塗布と正しい歯磨き習慣の定着を推奨しています。

【出典】日本小児歯科学会:「こどもたちの口と歯の質問箱」(https://www.jspd.or.jp/general/)

定期検診の適切な頻度は3ヶ月に1回か半年に1回か

「どのくらいの頻度で通えばいいですか?」という質問をよくいただきます。一般的には「3ヶ月に1回」または「半年に1回」と言われることが多いですが、実はお口の状態によって最適な間隔は一人ひとり異なります

お口の状態によって異なる受診間隔の目安

お口の中の細菌(虫歯菌や歯周病菌)の量や活動性、唾液の質、食生活、喫煙の有無などは個人差があります。そのため、リスクが高い方は短い間隔で、状態が安定している方は少し期間を空けてご案内することが一般的です。

3ヶ月ごとの受診が推奨されるケース

以下のような方は、お口のトラブルが発生するリスクが高いため、3ヶ月に1回程度(またはそれより短い間隔)の受診をおすすめしています。

歯周病の治療歴がある方
歯周病は再発しやすい病気です。歯周ポケット内の細菌は、処置後約3ヶ月で元のレベルに戻り始めると言われているため、歯石が溜まりきる前に定期的な除去が必要です。
虫歯になりやすい方
過去に多くの虫歯治療をしている方、詰め物・被せ物が多い方、唾液の分泌が少ない方は注意が必要です。
喫煙習慣がある方
タバコに含まれる成分は血管を収縮させ、歯茎の血行を悪くします。これにより歯周病のリスクが非喫煙者に比べて高まり、治りも悪くなります。
自分での歯磨きが苦手な方
高齢の方や、手先が不自由な方など、磨き残しが多い場合は、プロによるケアの頻度を高める必要があります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、喫煙が歯周病の最大のリスクファクターであることや、生活習慣に応じたケアの必要性が解説されています。

【出典】厚生労働省 e-ヘルスネット:「歯・口腔の健康」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth)

半年に1回の受診でも良いケース

一方、以下のようにリスクが低いと判断される場合は、6ヶ月に1回程度でも問題ないことがあります。

お口の中が健康で安定している方
虫歯や歯周病がなく、歯肉の状態も良好で、セルフケアがしっかりと定着している場合です。
定期検診を長年継続している方
長期間トラブルがなく、安定した状態が維持できていることが確認できている場合です。

ただし、これらはあくまで目安です。自己判断せずに、かかりつけの歯科医師と相談して、ご自身に合った頻度を決めることが大切です。

定期検診の費用相場と保険適用の有無

「定期検診には保険が効かないのでは?」と費用面を心配される方もいらっしゃいますが、日本の健康保険制度では、病気の管理・重症化予防という観点から、多くのケースで保険適用が可能です。

基本的な検診とクリーニングは保険適用が可能

現在、歯周病などの疾患の兆候があり、その継続的な管理(メンテナンス)が必要と診断された場合は、定期的な検査やクリーニング(歯石除去、機械的歯面清掃など)に健康保険が適用されます。これを専門的には「歯周病重症化予防治療」などと呼びます。

ただし、病気が全くなく、純粋に美容目的で着色汚れを取りたい場合や、保険適用外の特別なパウダーメンテナンスなどを希望される場合は「自費診療」となります。

1回あたりの費用の目安と時間

保険適用(3割負担)の場合、一般的な定期検診の費用相場は以下の通りです。

項目目安
費用目安2,500円 〜 3,500円程度
所要時間30分 〜 1時間程度

※レントゲン撮影を行う場合や、お口の状態、実施する検査内容によって費用は前後します。

また、四日市市では、特定の年齢の方や妊婦の方を対象とした「歯周疾患検診」や「妊婦歯科健診」を実施しており、費用の助成を行っています。対象の方には市から案内が届きますので、ぜひ活用してください。

【出典】四日市市公式サイト:「健康・医療」(https://www.city.yokkaichi.lg.jp/)

長期的に見ると治療費の節約につながる理由

定期検診で1回あたり数千円かかると聞くと、「高い」と感じるかもしれません。しかし、もし虫歯を放置して神経を抜く治療になったり、歯を失ってインプラントや入れ歯を入れることになったりすれば、その治療費は何万円、時には何十万円とかかってしまいます。

また、ご自身やご家族のために支払った医療費は、「医療費控除」の対象となります。虫歯や歯周病の治療費はもちろん、通院のための交通費(電車・バス)も対象になります。定期的な通院で大きなお金がかからないように管理することが、結果として最も経済的です。

【出典】国税庁:「No.1128 医療費控除の対象となる医療費」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm)

四日市のさかもと歯科医院が取り組む予防歯科

私たちさかもと歯科医院では、「悪くなってから治す」のではなく、「健康な状態を長く維持する」ための予防歯科に特に力を入れています。地域の皆様が「痛いから行く」のではなく、「気持ちいいから行く」場所になれるよう、様々な取り組みを行っています。

患者様一人ひとりに合わせた丁寧なカウンセリング

当院では、いきなり治療を始めることはありません。まずは患者様のお悩みやご希望をじっくりとお聞きします。

「痛いのが苦手」「費用が心配」「仕事が忙しいので通院回数を減らしたい」など、どのようなことでもご相談ください。患者様のライフスタイルに合わせた無理のない予防プランをご提案します。

継続して通いやすい環境づくりとスタッフのサポート

歯科医院独特の「怖い」「冷たい」というイメージを払拭するため、明るく開放的な雰囲気づくりを心がけています。

歯科衛生士は可能な限り担当制を導入しており(※状況によります)、毎回同じスタッフがお口の中をチェックすることで、小さな変化にも気づきやすくなります。顔なじみのスタッフが優しくサポートいたしますので、リラックスして受診していただけます。

トリートメントコーディネーターによる相談体制

当院には、歯科医師と患者様の間に立って調整を行う「トリートメントコーディネーター」が在籍しています。

診療台の上では緊張してしまって先生に直接聞けなかったことや、専門用語が難しくてよく分からなかったことなども、コーディネーターにお気軽にご相談ください。納得いくまで丁寧にご説明させていただきます。

四日市で歯科検診をご検討中の方はさかもと歯科医院へご相談ください

「痛くないのに歯医者に行く」ことは、決して無駄なことではありません。むしろ、将来のご自身の健康を守り、美味しい食事を一生涯楽しむための最も賢い投資です。

「最近、歯医者に行っていないな」「四日市市から検診のハガキが届いたけれど、どこに行こうか迷っている」

そのようにお考えの方は、ぜひ一度さかもと歯科医院までご連絡ください。まずは現在のお口の状態をチェックするだけでも大歓迎です。

スタッフ一同、皆様の健康的な笑顔をサポートできることを心よりお待ちしております。

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