さかもと歯科医院コラム記事

四日市の歯医者がおすすめする歯ブラシ・歯磨き粉の選び方!虫歯・歯周病予防のポイント

ホームケア

四日市市の皆さま、こんにちは。さかもと歯科医院です。

毎日行う歯磨きですが、「ドラッグストアに行くと種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」と悩まれたことはありませんか? 実は、お口の状態に合っていない道具を使い続けると、磨き残しが増えるだけでなく、歯や歯茎を傷つけてしまうこともあります。

結論から申し上げますと、虫歯や歯周病を効果的に予防するためには、「自分の口のサイズに合った小さめのヘッドの歯ブラシ」を選び、「目的に応じた成分(フッ素や殺菌剤など)が含まれた歯磨き粉」を使用することが最も重要です。

本コラムでは、四日市のさかもと歯科医院が、医学的な根拠に基づき、あなたに最適なセルフケアグッズの選び方を分かりやすく解説します。毎日のケアの質を高めて、一生ご自身の歯で食事を楽しめる健康なお口を作りましょう。

自分に合った歯ブラシの選び方とヘッドの大きさや毛のかたさ

歯ブラシ選びで迷った際、パッケージの「かため・ふつう・やわらかめ」という表記だけでなんとなく選んでいませんか? 効率よく汚れ(プラーク)を落とし、かつ口の中を傷つけないためには、以下の基準で選ぶことをおすすめします。

奥歯までしっかり磨くためにヘッドの大きさは小さめを選ぶ

日本人の顎は欧米人に比べて小さいため、ヘッド(ブラシの頭の部分)が大きいと、一番奥の歯や、歯の内側までブラシが届かないことがあります。 磨き残しが多くなりがちな奥歯までしっかり毛先を届かせるためには、「ヘッドが小さめ」のものを選ぶのが基本です。

目安となるサイズ
上の前歯2本分くらいの大きさが適当とされています。
メリット
小回りが利くため、歯並びが悪い部分や、歯と歯茎の境目にも丁寧に毛先を当てることができます。

参考情報 日本歯科医師会のサイト「テーマパーク8020」でも、自分に合った歯ブラシの選び方として、口の大きさに合ったサイズを選ぶ重要性が解説されています。

出典
日本歯科医師会 「テーマパーク8020:歯ブラシの選び方」

健康な歯茎には「ふつう」を選び炎症がある時は「やわらかめ」にする

ブラシの「毛のかたさ」は、現在の歯茎の状態に合わせて選ぶ必要があります。

ふつう(Normal/Medium)

健康な歯茎の方におすすめです。適度な弾力があり、効率的に汚れを落とすことができます。

やわらかめ(Soft)

歯肉炎や歯周病で歯茎が腫れている方、出血しやすい方におすすめです。刺激を抑えて優しく磨くことができますが、汚れを落とす力は弱くなるため、時間をかけて丁寧に磨く必要があります。

かため(Hard)

汚れを落とす力は強いですが、力が強すぎると歯茎を傷つけたり、歯が削れてしまう(擦過傷)原因になるため、使用には注意が必要です。

電動歯ブラシと手磨きの違いとそれぞれのメリット

「電動歯ブラシの方がきれいに磨けるの?」というご質問をよくいただきます。 結論としては、「正しく使えば、手磨きでも電動歯ブラシでも汚れの除去率に大きな差はない」と言われています。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。

手磨き用歯ブラシ

  • 微細な力加減の調整がしやすく、歯や歯茎への刺激をコントロールできます。
  • コストが安く、手軽に交換できます。

電動歯ブラシ

  • 短時間で効率的に汚れを落とすことができます。
  • 手が不自由な方や、高齢の方でも安定して磨くことができます。

※振動が強すぎると歯を摩耗させるリスクがあるため、製品ごとの正しい当て方を守る必要があります。

目的別で選ぶ歯磨き粉の成分とフッ素濃度や研磨剤

歯磨き粉(歯磨剤)は、単なる洗剤ではなく、薬用成分を含んだ「予防のためのアイテム」です。 パッケージの裏面を見て、ご自身の目的に合った成分が含まれているか確認してみましょう。

虫歯予防には高濃度のフッ素配合の歯磨き粉を選ぶ

虫歯予防において最も実績があり、国も推奨している成分が「フッ素(フッ化物)」です。フッ素には、歯の質を強くし、溶け出したミネラルを元に戻す(再石灰化)作用があります。

大人の場合、 フッ素濃度が1,450ppmの高濃度配合のものが認可されており、虫歯予防効果が高いとされています。購入の際は「高濃度フッ素配合」や「1450ppm」という記載があるか確認してみてください。

参考情報 厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、フッ化物の利用が虫歯予防に効果的であるというスタンダードな見解が示されています。

出典
厚生労働省 e-ヘルスネット 「歯・口腔の健康」

歯周病予防に効果的な殺菌成分や抗炎症作用のあるもの

歯周病が気になる方は、歯周病菌に作用する成分が含まれたものを選びましょう。

  • 殺菌成分

    IPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルピリジニウム)などは、原因菌の増殖を抑える効果が期待できます。

  • 抗炎症成分

    トラネキサム酸やグリチルリチン酸などは、歯茎の腫れや出血を抑える働きがあります。

より詳しい情報は、日本歯周病学会のQ&Aなども参考になります。

出典
日本歯周病学会 「歯周病Q&A」

知覚過敏や着色が気になる場合の研磨剤と発泡剤の有無

知覚過敏の方
「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」などの成分が含まれた、知覚過敏予防用の歯磨き粉を選びましょう。また、歯が削れるのを防ぐため、「研磨剤無配合」または「低研磨」のものが安心です。
着色(ステイン)が気になる方
着色汚れを落とすための研磨剤(清掃剤)が入っているものが有効ですが、粒が粗いと歯の表面を傷つけ、逆に着色が付きやすくなることもあります。使用頻度には注意が必要です。

子供用と大人用の違いや歯ブラシの交換時期

お子様の歯は大人の歯とは異なる特徴があり、成長に合わせた道具選びが大切です。また、道具のメンテナンスも予防効果に大きく影響します。

子供の成長や生え変わり時期に合わせた歯ブラシ選び

子供の口は小さく、非常にデリケートです。年齢や歯の生え変わりの段階に合わせて設計されたものを選びましょう。

乳幼児期(0〜3歳頃)
保護者が行う「仕上げ磨き用」のブラシは、柄が長く、ヘッドが非常に小さいものが適しています。自分磨き用には、喉を突かない安全設計のものを選んでください。
学童期(6〜12歳頃)
乳歯と永久歯が混在する「生え変わり時期」は、歯並びが凸凹しており磨きにくいため、毛先が細かく届くものがおすすめです。

日本小児歯科学会のサイトでは、お子様の歯のケアに関する詳しいQ&Aが掲載されています。

出典
日本小児歯科学会 「こどもたちの口と歯の質問箱」

毛先が開いていなくても1ヶ月に1回を目安に交換する理由

「まだ使えるから」と、何ヶ月も同じ歯ブラシを使っていませんか? 歯ブラシの交換目安は、「1ヶ月に1回」です。

使い古した歯ブラシを使い続けるデメリット

なぜ毎月交換する必要があるのでしょうか。主な理由は以下の2点です。

清掃能力の低下
毛先が開いていなくても、毛の弾力(コシ)が失われていくため、汚れを落とす力が約20〜40%も低下すると言われています。これでは、一生懸命磨いても汚れが残ってしまいます。
細菌の繁殖
使用後の歯ブラシには多くの細菌が付着します。長く使い続けると、ブラシの中で細菌が繁殖し、不衛生な状態で口の中を磨くことになってしまいます。

毎月1日は「歯ブラシ交換の日」と決めるなどして、常に清潔で弾力のあるブラシを使用しましょう。

市販品と何が違う?歯科医院専売(歯科専売)ケア用品の魅力

ドラッグストアで買える市販品と、歯科医院で販売している「歯科専売品」には、実は明確な違いがあります。 私たち歯科医療従事者が、院内での購入をおすすめするのには理由があります。

患者様のお口の状態に合わせて処方するオーダーメイド感覚

歯科専売品は、基本的に「プロが患者様の状態を見て選ぶ(処方する)」ことを前提に作られています。 「歯並びが複雑な方用」「矯正治療中の方用」「インプラントを入れている方用」など、特定のニーズに特化した製品が多く、自分のお口にジャストフィットするものが見つかります。

薬局では手に入りにくい成分濃度や形状の特徴

市販品は、誰が使ってもトラブルが起きにくいように、無難な設計になっていることが多いです。 一方、歯科専売品は以下のような特徴があります。

  • 高い殺菌成分・フッ素濃度 :より高い予防効果が期待できる成分配合。
  • 特殊な形状 :歯周ポケットの奥まで届く極細毛や、奥歯に届きやすいネックの形状など、機能性を追求した設計。

正しい使い方をプロから直接学べるメリット

どんなに良い道具でも、使い方が間違っていては効果が半減してしまいます。 歯科医院で購入する場合、歯科衛生士や歯科医師から「このブラシをどう当てるか」「どのくらいの量を使うか」という直接の指導を受けることができます。 「モノ」だけでなく「正しい使い方」もセットで手に入れられるのが、歯科専売品の最大の魅力です。

四日市のさかもと歯科医院であなたに最適なセルフケアグッズをご提案します

ここまで選び方のポイントをお伝えしましたが、「結局、私にはどれがベストなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 そんな時は、ぜひ専門家の力を頼ってください。

歯科衛生士によるブラッシング指導とアイテム選びのサポート

さかもと歯科医院では、経験豊富な歯科衛生士が、患者様一人ひとりのお口の状態を確認し、最適な歯ブラシや歯磨き粉をご提案いたします。 実際に鏡を見ながら行うブラッシング指導では、ご自身の磨き方の癖(くせ)を修正し、今日から実践できるプロのケア方法をお伝えします。

毎日のケアと定期検診を組み合わせて予防効果を高める

ご自宅でのセルフケア(ホームケア)と、歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで、虫歯や歯周病のリスクは大幅に下がります。 定期検診では、普段の歯磨きでは落としきれない歯石や着色の除去も行いますので、お口の中がリセットされ、スッキリとした状態を維持できます。

トリートメントコーディネーターへの気軽なご相談

「先生にはちょっと聞きにくい…」という些細な疑問や、費用に関するご相談は、当院のトリートメントコーディネーター(TC)にお任せください。 患者様とドクターの架け橋となり、納得してケアに取り組んでいただけるようサポートいたします。

自分に合った歯ブラシや歯磨き粉を知りたい方はさかもと歯科医院へ

お口の健康は、全身の健康の入り口です。 毎日使うものだからこそ、なんとなく選ぶのではなく、ご自身に本当に合ったものを使っていただきたいと私たちは考えています。

四日市市で、虫歯・歯周病予防のための歯ブラシ選びや、お口の健康相談をご希望の方は、ぜひ「さかもと歯科医院」までお気軽にご相談ください。 スタッフ一同、皆さまの健康な笑顔作りを全力でサポートさせていただきます。

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