「虫歯かな?」と思ったとき、歯医者に行くのをためらって「もう少し様子を見よう」と考えたことはありませんか? 実は、虫歯には「自然に治る段階」と「決して自然には治らない段階」の明確な境界線があります。「初期虫歯」と呼ばれるごく初期の段階を除き、虫歯は風邪や擦り傷と違って、放っておいても自然治癒することはありません。
本記事では、虫歯の進行度(C1〜C4)に応じた具体的な治療内容や期間、そして費用の目安について、四日市の「さかもと歯科医院」が詳しく解説します。正しい知識を持って、大切な歯を守るための第一歩を踏み出しましょう。
「初期虫歯」以外は自然治癒しない虫歯の基礎知識
一般的に「虫歯」と呼ばれる状態のほとんどは、一度なってしまうと自然に元に戻ることはありません。しかし、唯一の例外が「初期虫歯(CO)」と呼ばれる段階です。まずは、治療が必要になる境界線について正しく理解しましょう。
歯の表面が溶け始めた初期段階(CO)と再石灰化の可能性
まだ穴が開いておらず、歯の表面が白く濁っている状態を「CO(シーオー:要観察歯)」と呼びます。これは、虫歯菌が出す酸によって歯の表面(エナメル質)のカルシウムなどが溶け出し始めた「脱灰(だっかい)」の状態です。この段階であれば、削る治療は必要ありません。
以下を徹底することで、健康な状態に戻せる可能性があります。
- 正しい歯磨き
- 汚れ(プラーク)をしっかり落とす。
- フッ素の活用
- 歯の質を強化し、溶け出した成分を歯に戻す「再石灰化」を促す。
- 食生活の改善
- ダラダラ食べを控える。
黒ずみや穴が空いてしまった場合は歯科治療が必須
表面が黒ずんで見えたり、舌で触って分かるような穴が空いてしまったりした場合は、すでに細菌が歯の内部に侵入しています。歯には皮膚のような再生能力がないため、穴が空いてしまった組織が自然に埋まることは絶対にありません。この段階になると、細菌に汚染された部分を削り取り、詰め物などで補う「歯科治療」が必須となります。放置すればするほど、削る量は大きくなってしまいます。
痛みを感じないまま進行することの怖さと定期検診の意義
虫歯の恐ろしい点は、初期〜中期の段階では「痛みを感じにくい」ということです。歯の表面にあるエナメル質には神経が通っていないため、虫歯になっても痛みはありません。痛みを自覚した時には、すでに神経の近くまで進行しているケースがほとんどです。「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くなる前に見つける」ために、定期検診を受けることが非常に重要です。
進行度(C1〜C4)に合わせた具体的な治療法と期間
歯科医院では、虫歯の進行具合を「C1」から「C4」までの4段階に分類して診断します。それぞれの段階でどのような治療が行われるのか、具体的な内容を見ていきましょう。
エナメル質の虫歯(C1)はレジン充填で短期間に治療
歯の一番外側にある「エナメル質」に限局した小さな虫歯です。痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、放置すると進行します。
- 治療法
- 虫歯部分を最小限削り、「コンポジットレジン」という白いプラスチック素材を詰めます。
- 治療期間
- ほとんどの場合、 1回の通院で完了します。
麻酔を使わずに治療できることも多く、患者様の負担が最も少ない段階です。
象牙質まで達した虫歯(C2)の詰め物・被せ物治療
エナメル質の内側にある「象牙質」まで進行した虫歯です。冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりする症状が出始めます。象牙質はエナメル質より柔らかいため、ここで一気に進行が早まります。
- 治療法
- 小さめの場合: C1同様にレジンで詰めます。
- 大きめの場合: 型取りをして、金属やセラミックの「詰め物(インレー)」を作製して装着します。
- 治療期間
- 型取りが必要な場合、 2回〜3回程度の通院が必要です。
治療中は痛みを伴うことがあるため、局所麻酔を使用して行います。
神経まで達した虫歯(C3)の根管治療と通院回数
虫歯菌が歯の中心部にある「歯髄(神経)」まで到達した状態です。何もしなくてもズキズキ痛む(自発痛)、熱いものがしみる、などの激しい症状が現れます。
- 治療法
- 汚染された神経を取り除き、根の中を消毒して薬を詰める「根管治療(神経の治療)」を行います。その後、土台を立てて「被せ物(クラウン)」を装着します。
- 治療期間
- 根の消毒には回数がかかるため、 数週間〜数ヶ月の通院が必要です。
神経を取った歯は枯れ木のように脆くなるため、寿命が短くなってしまうリスクがあります。
歯が崩壊した虫歯(C4)の抜歯と入れ歯やインプラント
歯の頭の部分がほとんど溶けてなくなり、根っこだけが残っている状態です。神経が死んでしまっているため、痛みを感じなくなることがありますが、根の先で膿が溜まると再び激痛が生じます。
- 治療法
- 多くの場合は「抜歯」となります。歯を抜いた後は、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどで噛む機能を回復させます。
- 治療期間
- 抜歯後の治癒期間や補綴(ほてつ)治療を含めると、 数ヶ月〜半年以上かかることもあります。
ここまで進行する前に治療を開始することが、ご自身の歯を残すための絶対条件です。
治療にかかる費用の目安と保険適用の範囲
治療費は、保険が適用されるかどうか、そして虫歯の進行度によって大きく変わります。
保険診療で可能な白い詰め物と銀歯の選択肢
日本の保険制度では、機能回復を目的とした治療がカバーされています。
| 進行度 | 保険適用される主な治療内容と費用目安(3割負担) |
|---|---|
| C1・軽いC2 | コンポジットレジン(白いプラスチック)は保険適用で、1,500円〜3,000円程度です。 |
| 重いC2・C3 | 奥歯の詰め物や被せ物は、保険適用では主に「銀歯(金銀パラジウム合金)」となります。前歯や一部の条件を満たす奥歯では、白い被せ物(CAD/CAM冠)も保険適用になりますが、強度や美しさを追求する場合は、自費診療のセラミックなどが選択肢に入ります。 |
進行すればするほど高額になる治療費と時間の負担
虫歯治療は、「早期発見・早期治療」が最も経済的です。
| 進行度 | 通院回数 | 費用目安(保険適用・3割負担) | 補足 |
|---|---|---|---|
| C1 | 1回 | 数千円 | |
| C3 | 5〜10回 | 総額で1万円〜数万円 | 根管治療+土台+被せ物が必要。 |
| C4 | 数ヶ月〜半年以上 | 1本あたり 30万円〜50万円程度(自費診療) | インプラントを選択した場合。 |
放置すればするほど、お財布への負担も、通院にかかる時間の負担も雪だるま式に増えていきます。
四日市で自分の歯を長く残すための早期発見の重要性
四日市市にお住まいの皆様、歯は一度削ると二度と元には戻りません。詰め物や被せ物はあくまで「人工の代替物」であり、ご自身の天然の歯に勝るものはありません。「痛くなってから」ではなく、「痛くなる前」に歯科医院を訪れ、C1やC2の段階で治療を終えること、あるいはCOの段階で予防することが、将来的に多くの歯を残し、健康寿命を延ばすことにつながります。
虫歯の進行が気になる方は四日市のさかもと歯科医院でチェックを
「もしかして虫歯かな?」「久しぶりに歯医者に行ってみようかな」と思われた方は、ぜひ四日市のさかもと歯科医院にご相談ください。当院では、患者様が安心して通える環境づくりに努めています。
拡大鏡などを使用した精密な検査で小さな虫歯も発見
当院では、肉眼では見逃してしまうような微細な初期虫歯や、詰め物の隙間の異常を発見するために、拡大鏡(ルーペ)などの精密機器を活用しています。早期発見ができれば、それだけ歯を削る量を減らすことができ、歯の寿命を延ばすことにつながります。
治療の選択肢を分かりやすく説明するトリートメントコーディネーター
「いきなり削られるのは怖い」「費用のことが心配」という方もご安心ください。さかもと歯科医院には、ドクターと患者様の間に立って相談に乗る「トリートメントコーディネーター」が在籍しています。現在の歯の状態、可能な治療法のメリット・デメリット、費用や期間について、専門用語を使わずに分かりやすくご説明いたします。ご納得いただいた上で治療を進めていきます。
痛みの少ない治療を心がけ患者様の負担を軽減
「歯医者の麻酔が痛くて苦手」という方のために、当院では痛みを極力抑える工夫をしています。表面麻酔(塗り薬)の使用や、極細の注射針、一定の速度で麻酔液を注入する電動麻酔器などを導入し、いつ麻酔をしたのか分からないような、優しい治療を心がけています。虫歯は自然には治りませんが、治療の痛みや不安は、私たちの工夫と皆様との対話で取り除くことができます。まずは一度、検診にお越しください。

