さかもと歯科医院コラム記事

気になる口臭の原因は歯にある?四日市の歯医者が教える対策と治療法

口臭

「会話中に相手が顔をしかめた気がする」「マスクの中で自分の息の臭いが気になる」。そんな経験はありませんか? 口臭は非常にデリケートな悩みであり、家族や友人であっても指摘しにくいものです。

「口臭の原因は胃が悪いから」と考える方も多いですが、 実は口臭の原因の8割以上は、胃などの内臓ではなく「お口の中」にあることが医学的に明らかになっています。

本コラムでは、四日市市のさかもと歯科医院が、口臭の主な原因である「歯周病」や「舌苔(ぜったい)」などのメカニズムを解説し、歯科医院で行う専門的な治療法からご自宅でできるセルフケアまで、正しい情報を分かりやすくご紹介します。原因を正しく知り、適切に対処することで、自信を持って会話ができる健康なお口を取り戻しましょう。

気になる口臭の原因は胃などの内臓よりもお口の中にあることが多い

口臭には、起床時や空腹時に誰にでも起こる「生理的口臭」と、何らかの病気が原因で起こる「病的口臭」があります。このうち、治療が必要となる「病的口臭」の原因の90%以上は、口の中に原因があるといわれています。

胃炎や糖尿病などが原因の場合もありますが、その割合は決して多くありません。まずは「口臭=お口のトラブル」と捉え、歯科的なアプローチを行うことが解決への近道です。

以下に、お口の中で発生する口臭の代表的な原因を3つ挙げます。

歯周病菌が出すガスが強い臭いの元になる理由

口臭の原因として最も代表的なものが「歯周病」です。歯周病は、歯と歯茎の間に溜まったプラーク(歯垢)の中にいる細菌が原因で炎症が起きる病気ですが、この細菌が繁殖する過程で独特な臭いを持つガスを作り出します。

このガスは「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれ、主に以下の3つの物質で構成されています。

メチルメルカプタン
玉ねぎが腐ったような強い臭いが特徴で、歯周病患者に多く見られます。毒性が強く、歯周組織を悪化させる要因にもなります。
硫化水素
卵が腐ったような臭い(温泉の臭い)が特徴で、舌の汚れなどが原因で発生しやすい物質です。
ジメチルサルファイド
生ゴミのような臭いが特徴で、食品や内臓疾患に由来することもありますが、お口の細菌も生成します。

歯周病が進行し、歯と歯茎の溝(歯周ポケット)が深くなると、酸素を嫌う歯周病菌が爆発的に増殖し、これらのガスを大量に発生させます。これが、歯周病の方特有の強い口臭の原因となります。

出典・参考
日本歯周病学会「歯周病Q&A」
e-ヘルスネット(厚生労働省)「口臭の発生機序」

舌の表面についた白い汚れである舌苔(ぜったい)

鏡で自分の舌を見たとき、表面が白っぽくなっていませんか? これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる汚れで、口臭の大きな原因の一つです。

舌苔の正体は、食べカスそのものではなく、お口の中の粘膜が剥がれ落ちたものや、白血球の死骸、そしてそこに繁殖した細菌の塊です。舌の表面は細かいヒダ状(舌乳頭)になっており、ここに汚れが溜まりやすく、細菌の格好の住処となります。

特に、体調が悪いときや、口の中が乾燥しているとき、また高齢になって飲み込む力が弱くなると、舌が動きにくくなり舌苔が厚くなる傾向があります。この舌苔に含まれる細菌が、先ほど解説した「硫化水素」などのガスを作り出し、口臭を発生させるのです。

出典・参考
テーマパーク8020(日本歯科医師会)「舌苔(ぜったい)」

喉の奥にできる膿栓(のうせん)やドライマウスの影響

歯や舌以外にも、口臭を引き起こす要因があります。

膿栓(のうせん)
喉の奥にある扁桃(へんとう)にある小さな穴に、細菌の死骸や食べカスが溜まって固まったものを「膿栓」といいます。「臭い玉」と呼ばれることもあり、潰れると強烈な悪臭を放ちます。これは体の防御反応の結果できるものですが、口臭の原因になることがあります。
ドライマウス(口腔乾燥症)
唾液には、口の中の汚れを洗い流す「自浄作用」や、細菌の繁殖を抑える「抗菌作用」があります。しかし、ストレスや加齢、薬の副作用などで唾液の分泌が減り、口の中が乾燥すると、これらの作用が低下します。その結果、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなり、朝起きたときのようなネバネバした不快感とともに、口臭が強くなります

歯科医院で受けるべき口臭対策と根本的な治療法

口臭を根本から解決するためには、原因となっている細菌や汚れを物理的に取り除く必要があります。市販のブレスケア用品は一時的な「マスキング(臭い消し)」にはなりますが、原因菌がいなくならない限り、臭いはすぐに戻ってしまいます

歯科医院では、以下の専門的なアプローチで口臭の根本治療を行います。

歯石除去と専門的なクリーニングで口臭の原因菌を減らす

毎日の歯磨きだけでは、どうしても落としきれない汚れがあります。それが「歯石」や「バイオフィルム」です。歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムと結びついて硬くなった歯石は、歯ブラシでは除去できません。歯石の表面はザラザラしており、さらなる細菌の温床となります。

歯科医院では、専用の器具を使って歯石を除去(スケーリング)し、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる専門的なクリーニングを行います。

  • スケーリング

    超音波スケーラーなどの器具を使用し、歯に強固に付着した歯石を徹底的に除去します。これにより、歯周病菌の隠れ家をなくします。

  • PMTC

    専用のブラシやゴムのカップ、研磨剤を使用して、歯の表面のバイオフィルム(細菌の膜)や着色汚れを機械的に清掃・研磨します。歯の表面がツルツルになり、新たな汚れがつきにくくなります。

出典・参考
日本歯科保存学会「一般の皆様へ」

進行した虫歯や適合の悪い被せ物の治療とチェック

大きな穴が開いてしまった進行した虫歯は、の中に食べカスが詰まりやすく、神経が腐ってしまうと強い腐敗臭を発します。

また、過去に治療した「詰め物」や「被せ物」が劣化し、歯との間に隙間や段差ができている場合も要注意です。その隙間で細菌が繁殖し、古いセメントが溶け出すことで、独特の臭いを発生させることがあります。

歯科医院では、レントゲン撮影や目視でのチェックを行い、問題がある修復物を新しく作り直すことで、清掃性を高め、臭いの元を断ち切ります

自分では磨きにくい場所のプラークコントロール

口臭治療の基本は、やはり毎日のプラークコントロール(歯垢除去)です。しかし、「磨いているつもり」でも「磨けていない」箇所が誰にでもあります。特に歯並びが悪い部分や、奥歯の奥などは汚れが残りやすいポイントです。

歯科医院では、歯科衛生士が患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて、正しい歯ブラシの当て方や動かし方を指導(TBI)します。自分自身の癖を知り、磨き残しを減らすことが、長期的な口臭予防につながります。

自宅でできる日々のケアと生活習慣の見直し

歯科医院でのプロフェッショナルケアと並行して、ご自宅でのセルフケアの質を高めることが非常に重要です。ここでは、今日から実践できる口臭予防のための習慣をご紹介します。

歯間ブラシやデンタルフロスを使った丁寧な歯磨き

歯ブラシのみでの清掃では、歯と歯の間の汚れの約60%しか除去できないと言われています。残りの40%の汚れが、口臭や歯周病の原因となります。

これを解消するために、「デンタルフロス(糸ようじ)」や「歯間ブラシ」の使用を習慣化しましょう。

  • デンタルフロス

    歯と歯が接している隙間の清掃に適しています。子供や歯間が狭い方にも有効です。

  • 歯間ブラシ

    歯と歯茎の間の三角形の隙間(歯間乳頭部)の清掃に適しています。サイズ選びが重要ですので、歯科医院で自分に合ったサイズを確認してもらいましょう。

これらを1日1回、特に就寝前に使用することで、寝ている間の細菌繁殖を効果的に抑えることができます。

出典・参考
e-ヘルスネット(厚生労働省)「歯間ブラシ・デンタルフロスの使い方」

舌ブラシを使用した正しい舌のケアと洗口液の活用

舌苔を除去するために、舌磨きを取り入れましょう。ただし、普通の歯ブラシでゴシゴシ強く擦るのは禁物です。舌の表面を傷つけ、逆に細菌が入り込みやすくなってしまいます。

専用の「舌ブラシ」を使用し、鏡を見ながら「奥から手前」に向かって、優しく撫でるように動かします。回数は1日1回、朝の歯磨き時がおすすめです。

また、殺菌成分が含まれた「洗口液(マウスウォッシュ)」を補助的に使用するのも効果的です。ただし、アルコール含有量が強いものは口の中を乾燥させることがあるため、ドライマウス気味の方はノンアルコールタイプを選ぶと良いでしょう。

ストレスを溜めず唾液の分泌を促す工夫と禁煙の重要性

唾液は「天然の口臭予防薬」です。よく噛んで食事をすることや、こまめな水分補給、そしてリラックスして過ごすことで唾液の分泌が促されます。ガム(キシリトール入りが推奨)を噛むことも、唾液腺を刺激するのに有効です。

また、「喫煙」は口臭の大きなリスクファクターです。タバコに含まれるタールやニコチンは独特の臭いがあるだけでなく、血管を収縮させて歯茎の血行を悪くし、歯周病を悪化させます。さらに、唾液の分泌を抑制してしまうため、口臭予防の観点からは「禁煙」を強く推奨します。

口臭のお悩みは四日市のさかもと歯科医院へご相談ください

口臭は、ご自身で悩んでいても解決が難しく、心理的なストレスも大きい問題です。しかし、原因のほとんどがお口の中にあるため、歯科医院で適切な検査と治療を行えば、改善できるケースが非常に多いのです。

四日市のさかもと歯科医院では、患者様が安心して相談できる環境を整えています。

個室診療室でプライバシーを守りながらお話を伺います

「口臭のことを相談するのは恥ずかしい」と感じる方もご安心ください。当院の診療室は、プライバシーに配慮した個室、または半個室設計となっております。他の患者様の視線や耳を気にすることなく、リラックスしてご相談いただけます。

トリートメントコーディネーターによる丁寧なカウンセリング

当院には、歯科医師と患者様の架け橋となる「トリートメントコーディネーター(TC)」が在籍しております。いきなり治療台に座るのではなく、まずはカウンセリングのお時間をいただき、現在のお悩みや生活習慣、ご希望などを丁寧にお伺いします。専門用語を使わず、分かりやすい言葉でご説明することを心がけています。

まずはお口のチェックを受けて原因を特定しましょう

口臭の原因が、歯周病なのか、虫歯なのか、あるいは舌の汚れなのか、原因によって対策は異なります。まずは検診を受けていただき、現在のお口の状態を客観的に把握することから始めましょう。

さかもと歯科医院は、地域の皆様のお口の健康を守り、笑顔で会話を楽しめる毎日をサポートいたします。四日市市で口臭にお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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